お金をもらいながら求職活動ができて、無料で受講できるなど、職業訓練には多くのメリットがあります。
ですが、メリットがあるということはデメリットもあり、これから訓練を受けようと思うのなら注意が必要です。
今回は、職業訓練へ実際に通ってわかったメリット・デメリットを詳しく紹介していきます。
多すぎる職業訓練のメリット
職業訓練のメリットで、すぐに思いつくのは下記の内容ではないでしょうか。
・雇用保険の延長
・雇用保険の待機期間を短縮
・無料で受講できる
・スキルが身につく
やはり給付金と身につくスキルが大きなメリットです。
実際に職業訓練校に通ってみると、スキルやお金以外にもいろいろなメリットを実感することができます。
規則正しい生活リズムに戻る
職業訓練は、ほとんどが朝9時から16時~17時まで、月曜~金曜まで通わないといけません。(祝日除く)
遅刻や欠席をしてしまうと、基本手当が支給されないこともあり、場合によっては強制退校もありえます。
職業訓練に通う前は夜更かしをしていた人も、職業訓練に通えば自然と規則正しい生活リズムに戻せるでしょう。
職業訓練生だけの求人票がある
職業訓練校には、職業訓練生向けの求人票を見かけることがあります。
ハローワークに設置している求人検索用のパソコンには掲載されない求人票なので、競争倍率が低く、採用される可能性が高くなります。
職業訓練生向けの求人については、求職時期にもよるので、100%あるわけではありませんが、見かけたら応募してみといいでしょう。
また、職業訓練校には、ハローワークにもある求人検索のパソコンが設置されています。
なので、ハローワークに通わなくてもハローワークと同じ求人情報を閲覧し、紹介状を発行してもらうことが可能です。
キャリアデザインの授業で就活のモチベーションアップ
授業で習うスキル以外にも、キャリアデザインの授業があります。
キャリアデザインの授業は、履歴書の書き方や面接対策など、就活に役立つ授業です。
ほとんどの職業訓練校で組み込まれている授業なので、月1~2回程度、1日かけて行われます。
必要なスキル以外にも、就職に役立つ授業を行ってくれるのは、職業訓練ならではです。
キャリアコンサルティングで今後の求職活動をアドバイス
職業訓練校によっては月1回以上、個別のキャリアコンサルティングが実施されます。
キャリアコンサルティングでは、担当講師とこれまでの経歴などから、これからの就職活動について話し合い、自分に合った仕事内容を提案してもらえます。
客観的な目線で話してもらえるので、ひとりで就職活動をしていたら気づかなかった職種を知るきっかけになるかもしれません。
仲間の訓練生が内定→良い意味で焦りがうまれる
訓練中でも、就職活動をすることが可能です。
職業訓練には、月1~2日程度の就職活動日があり、ハローワークに求人票を検索しに行ったり、事前に応募していた企業へ面接に行くことができます。
もちろん、訓練中に内定が決まる訓練生もいるので、良い意味で焦りがうまれ、刺激になることでしょう。
なお、就職活動日として設定されている日は授業がないので、基本手当の支給ありません。
ジョブ・カードの作成でこれまでの自分をふりかえられる
職業訓練では、厚生労働省が推奨する「ジョブ・カード」を作成することができます。
「ジョブ・カード」は、これまでの自分をふりかえることに使ったり、履歴書の補助書類として提出することも可能です。
自分だけでは作成することが難しいのですが、授業を通じて講師と作成することできるのがメリットといえます。
「ジョブ・カード」自体、まだまだ浸透していませんが、職業訓練校によっては受験前に作成が必須なことがあります。
受験前に作成することが必要な場合、管轄のハローワークにて作成方法のアドバイスを受けることも可能です。
厚生労働省ジョブカード総合サイト:https://jobcard.mhlw.go.jp/job_card.html
職業訓練のメリットまとめ
職業訓練を受けることで、お金やスキル以外にも、就職活動に役立つことを学ぶことができます。
訓練中も就職活動をすることが可能で、訓練後半には就職活動がメインとなるので、意外と毎日忙しいです。
■職業訓練メリットまとめ
・給付金がもらえる
・雇用保険の延長
・雇用保険の待機期間を短縮
・無料で受講できる
・スキルが身につく
・規則正しい生活リズムに戻る
・訓練生だけが応募できる求人票
・キャリアデザインの授業で就活のモチベーションアップ
・個別相談のキャリアコンサルティング
・仲間の訓練生の内定が良い刺激に
・ジョブ・カードの作成
職業訓練のデメリット
いろいろなメリットがある職業訓練にも、デメリットがあります。
これから職業訓練の受験を考えている方は、デメリットをよく知っておいたほうがいいです。
・授業についていけない可能性がある
・学校に通うことが面倒になる
・訓練終了後、すぐに就職が決まらないと就活で不利になる
これらのデメリットについて詳しく解説していきましょう。
他の訓練生と馴染めず孤立することがある
職業訓練の受験では面接があり、面接にて受験生の協調性や就職意欲を見極められます。
なので、ある程度コミュニケーション能力や協調性のある人が合格するのですが、いざ通ってみると他の訓練生と馴染めず孤立する可能性があります。
大人が集まるといっても、あくまでも学校なので、学生気分のノリがキツイと感じる人もいます。
クラスによっては、静かなクラスもありますが、やかましいクラスにあたることもあるので、クラスに関しては運といえるでしょう。
授業についていけない可能性がある
どのコースにもいえるのですが、授業についていけずに途中退校をする訓練生がいます。
「思っていた授業内容と違った」「授業内容が難しすぎる」といった理由がほとんどです。
途中退校した場合、人によっては基本手当が打ち切りになる可能性があります。
学校に通うことが面倒になる
職業訓練は、月曜~金曜の週5日間を数ヶ月通わないといけません。
実際のところ、週5日間も決まった時間に学校へ行くのは面倒です。
やむを得ない理由なく休んでしまうと、基本手当が支給されないので、必ず出席する必要があります。
訓練終了後、すぐに就職が決まらないと就活で不利になる
職業訓練でベストな就職タイミングは、訓練終了から数日後です。
そのためには、訓練中に面接を行い内定をもらう必要があります。
ですが、ベストなタイミングで内定をもらえているのはごくわずかです。
内定をもらえないまま、職業訓練を修了してしまうと、またひとりで就職活動をしないといけません。
もしも、職業訓練修了後に、何ヶ月も就職が決まっていないと、訓練期間中に就職活動をしていないとみなされて不利になる可能性があります。